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2011年11月15日

鮭の帰る川へ帰る。

皆様こんばんは。

既にご存知かと思いますが、番長の住んでいた地域は原発の被害により、警戒区域となっており
帰宅はおろか、立ち入りも制限されています。

そんな所ですが、先日皆様もメディアで見聞きした事のある「一時帰宅」をしてきました。

実は少し前にも1巡目を申し込んでいたのですが、不安定な原発、線量の問題等を考慮して辞退をしたんです。

所定の場所で受付を済ませ、防護服に着替え帰宅開始です。

鮭の帰る川へ帰る。

無人の駅・・・・・とは言え以前も似たようなもんですが・・

かつての自宅前、通い慣れた道にはは草が生い茂り、いたる所に牛の落とし物がある始末。

田んぼも遮蔽物が無く、海岸まで見通せる。

稲穂が黄金色に輝いているはずもなく、雑然とした風景。

鮭の帰る川へ帰る。

アレ以来手つかずで放置されたこの場所で、あの津波はまだその力を誇示している。

鮭の帰る川へ帰る。

美味しいトマトや茄子、キュウリや唐辛子を作っていた番長農園もご覧の有様。

鮭の帰る川へ帰る。

釣り道具は殆ど持ち出したのですが、今回はカミさんの思い出の品や、ウェディングドレスなどが目的。

地震で崩れた家屋に入るのは気が引けるが、ここは番長が入り込む事にする。

荒れた部屋の中は、埃っぽいとは言え当時のまま・・・・地震が起きる前の晩のままです。

グっと来るのを堪えて探し物を車に詰め込み、再度受け付け場所に帰ろうとするが何を思ったかあの河原へ・・・

鮭の帰る川へ帰る。

気になって気になって仕方がなかった川の様子。

悔しくて悔しくて仕方がなかったこの数日間、通年ならば既に鮭を仕留め、ニヤけた顔をしている所だ。

「今年も鮭はやってくるのだろうか?」などと要らぬ心配をしていたが、鮭はしっかりこの川に戻ってきていた。

鮭の帰る川へ帰る。

天災は別にして、今起きている人間の事情など知らずに、一生懸命にその命のバトンを渡したであろう鮭達。

力尽き横たわる鮭はこの異変に気がついたのだろうか?

鮭の帰る川へ帰る。

津波で剥がされたアスファルトの断片が心に突き刺さる。

鮭の帰る川へ帰る。

ここでも無惨に破壊された車が、無言の恐怖を押し付ける。


だがどうだろう?

例年ならばその使命を全うする前に我々に捕まってしまうのだが、今年はどこまで行けたのだろうか?

この川に無数に生まれてくるであろう小さな命が、4年後に沢山帰ってくる。

いつになく沢山の鮭が帰ってくるだろう。

本来の姿を取り戻した川の営み。

しかし本質は違う。

その時までに、僕らはこの川を元の川に出来るのだろうか?

再びこの河原で繰り広げられる営みと、釣り人の笑顔をこの目で見たい物だ。



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